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時代刺激人-ジダイシゲキビト-経済ジャーナリストの辛口メッセージ

Vol.136

2011.05.24

G8サミットで原発事故不信の解消を
日本が世界に表明する最後チャンス

 「9.11」という米国を襲った国際テロが米国の運命を変えたとすれば、「3.11」は間違いなく自然の猛威、それによって引き起こされた原発事故で日本の運命を変えてしまったといって過言でない。中でも、東京電力福島第1原発の爆発事故は世界中を震撼させた。原発は巨大なエネルギー源である半面、ひとたび事故を起こせば放射能汚染がリスクの連鎖どころか恐怖の連鎖を引き起こすからだ。

 それだけに、世界の多くの国々の最大の関心事は、日本のような安全や品質管理の技術にこだわりを持つ国で、信じがたい原発事故が、なぜ起きたのだろうか。その教訓はいったい何なのだろうか、自国にある原発の安全管理の面で共有すべき問題や課題は何だろうか、ぜひ日本から聞きたい、いや聞かせてほしい、といった点にある。

海外は最悪事故段階のレベル7が続いたままの状況を不安視

 そればかりでない。日本が官民あげて必死で原発事故対応することについては、世界各国の誰もが認めている。しかし、肝心の原発事故の国際的な危機最悪レベル7は続いたままで、レベル4や3への引き下げが出来ておらず、不安や不信の解消に至っていない。その結果、日本は世界に向けて、誰もが懸念する原発事故の全貌、今後の再発防止策にとどまらず、レベル7そのものの不安解消策について、もっと積極的に情報発信すべきだ――という苛立ちに発展する。私自身、この指摘を出会う外国人から何度も受ける。

 「えっ? 日本政府は原発事故後、危機管理センターのある首相官邸から東電本社の現場に事故対策の統合本部を移し、毎日のように記者会見を通じて、事故の現状や対策を公表しているではないか」という反発が政府サイドから聞こえてきそうだ。

菅首相が国際的な専門家集めた独立の事故調査委創設表明を

 結論から先に申上げよう。私に言わせてもらえば、世界のトップリーダーが5月26、27日にフランスで世界の懸案を協議するG8サミット(主要8カ国首脳会議)が、日本にとって、原発事故対応をめぐる世界の対日不信を解消する最大かつ最後のチャンスだ。

 菅直人首相はその場で、日本の事故対応を説明するのは当然だが、それよりも、日本政府として、新たに国際的な専門家を集めた独立の事故調査委員会を創設する考えであること、その委員会には現代世界で最高レベルの専門家があらゆる角度から原発事故原因の究明や再発防止のための検討を行うこと、そして、その委員会で引き出される結論は世界各国の専門家や技術担当者らですべて共有して再発防止に当てる、と表明することだ。

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